2016年5月27日金曜日

評1:Primal Fear-Seven Seals



                                                                                                      
1. デーモンズ・アンド・エンジェルズ
2. ローラーコースター
3. セヴン・シールズ
4. イーヴル・スペル
5. イモータル・ワンズ
6. ディアボロス
7. オール・フォー・ワン
8. カルニウォー
9. クエスチョン・オブ・オナー
10. イン・メモリー
11. ユニオン (日本盤ボーナス・トラック)

初回ということでまずは割と正統派方面の一枚を。



ラルフ・シーパーズの歌唱法の気持ちよさがまず第一に刺さる同バンドなのである。それならもっと新しい作品を紹介するのが良いのかもしれないのだが、佳曲揃いと評判の良い同アルバムを最初に紹介することにした。個人的にはこの当時の来日ライブ(Helloweenとのタイアップだった)を観覧したから思い出深いということもあるのだけれど。

ラルフ・シーパーズのヴォーカルの魅力はまず何を持ってもこの恵まれた声質、そして高いところから低いところまで一遍の不安も感じさせない抜群の安定感だろう。どのレベルの声であっても自身の持ち味をしっかりとにじませて発声することの難易度の高さを感じさせない、そこに存在することの必然性を強く強く感じさせる声だ。


▲Seven Seals official music video 十一年前、ちょっと時代を感じさせる映像だ。


演奏は全体で見通せば、どちらかと言えばどっしりと構え、必要十分を確実に満たしていくタイプだ。煌びやかではないが、洗練された、必要なところに必要なだけの音が集まるタイプで、人によっては少々薄味に感じるかもしれない。

本作、Seven Seals表題は黙示録「七つの封印」ということで楽曲も欧州ヘヴィメタルが得意とするコンセプチュアルでストーリーのあるものが並び、全体的に日本人メタルファン受けは良さそう。各楽曲に注目すると開幕「Demons and Angels」(いきなりスゲェタイトルだな)から表題曲「Seven Seals」までの流れは完璧だ。美しさと完成度が同居し尚且つ力強い。そして何より同バンドのオリジナリティ溢れる作品群に仕上がっている。次に続くは日本人好みしそうなスピードチューン「Evil Spell」。残念ながらこの手の楽曲の中で出色の出来とは言い難く、どちらかと言えばありきたり。各パートの演奏は極めて高い水準でまとまっているのだが、一方でそれ以上の見るべきところがないのが残念だ。同アルバム唯一のスピードチューンだけにもう一歩踏み込んだアレンジを聴かせてほしかった。演奏力、歌唱力ともにそれが十分可能なバンドであるだけにもう一つが欲しくなる。

本作のクライマックス的楽曲、「Diabolos」の完璧な支配下に置かれた物語的な展開、アレンジは本アルバムのベストだ。楽曲途中、ナレーションパートから続くギターソロは特に必聴。高く、深く響き渡るサウンドは薄暗い夜に支配された世界に差し込む一筋の光明のような鋭さと吸引力を持って物語を推し進め、そして加速させる。

次曲の「All for one」はサビメロに注目したい。Primal Fearの得意とする展開の楽曲であり同時にメロスピ的クサさも持つ佳曲。拳を突き上げたくなる良いメタルである。オーフォーワァァァァァン!!なのである。

そして同アルバムの物語を締めくくる名曲「In memory Of you」、エンディングに相応しい、儚く美しい名曲だ。物語が閉じられていく。ただ、じっとその様を見つめていたくなる。この完成度に立ち会えることこそ本アルバムを聴く意味だと言っても決して言い過ぎではあるまい。


本作の評価

1、買うべき       <<<<<<<< 円盤を家に持っておくべき一作 です。
2、とりあえず聴くべき
3、聴いたら忘れてもいい
4、ヒマな方はどうぞ
5、時間泥棒

この素晴らしい音楽に出会えたことに感謝を。北原亜稀人でした。


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