2016年7月4日月曜日

評9:Sinbreed/Master Creator



SINBREED / MASTER CREATOR

01. Creation Of Reality
02. Across The Great Divides
03. Behind A Mask
04. Moonlit Night
05. Master Creator
06. Last Survivor
07. At The Gate
08. The Riddle
09. The Voice
10. On The Run

ジャーマンメタルの王道、という触れ込みでの宣伝を良く見かけるバンドで、本作はその3rdにあたる。触れ込み通り、実にジャーマンメタル的な緻密なメロディラインとパワーが同居する一枚だが、どちらかと言えばパワー寄りのサウンドでヴォーカルの歌唱法もパワーメタル的。音域の幅は決して広くなく表現の仕方にもそれほどの手数があるタイプではないもののどっしりとした、朗々とした唄いまわしでこのバンドのサウンドに実に良く似合っている。

楽曲の全体的な方向性としてはコーラスパートで大きく飛び出していく実に気持ちの良いメロディックパワーメタルで、「ここで来るでしょう!」というところでしっかり期待を裏切らずに飛び上がってくる、カテゴリのファンが大喜びで拳を突き上げるタイプのバンドだ。各パートの演奏はものすごく緻密で、それが実によくまとまって、タイトなバンドサウンドとして成立している。やや大仰過ぎるような展開も時々見られるが、それもむしろカテゴリのファンとしては望むところなのではないか。





スピードチューンを中心に構成された実に元気の良いアルバムで、#1~2の二曲で大体のメロディックスピード好きの注意を惹きつけることに成功するはずだ。決してモダンなヘヴィサウンドではなく、「古き良き」は言い過ぎなものの伝統的なジャーマンメタル的サウンド。そして各パートは圧倒的という表現が相応しいほどに安定したプレイングを見せる。前述のとおり、ヴォーカルは音域がそれほど広くはなく特にハイトーンで少々苦しさを見せるが実に魅力的な声をしている。

#4はオフィシャルでMVが公開されている楽曲で、実に印象的な一曲だ。フランツ・カフカ的な物語が展開されるMVと併せて楽しんでほしい一曲だ。次、タイトルチューンはコーラスパートへの展開が気持ちよく、しかしコンパクトにまとめられた佳曲だ。個人的にはもう少し長く尺をとっても良い曲、素材だと感じるが。

#7はアルバム唯一のスローな展開の曲で、イントロのピアノが静かに物語の幕を開く。展開はそれほど特殊なものではなく、完全に古典的なものなのだけれど、SINBREEDはむしろそういった、ありふれた展開、サウンドを百二十点に仕上げるバンドなのだと思う。新しいものではないが、或いは、新しいものではないからこそ完璧に近い一曲に仕上がっている。

#9は冒頭のシャウトは少々心配になるがロック魂を揺さぶられる一曲で、アルバム全体のハイライトとして実に良い仕事をしている一曲だと思う。#10は、アルバム本編の最終曲にして、神業クラスの最高に素晴らしいコーラスパートを要する佳曲。この一曲を最終曲として持ってくるその選択に敬意を表したい。この次もきっとSINBREEDは素晴らしい音楽をファンの元に届けてくれる、そう信じることが出来る、最高の一曲だ。

伝統的なジャーマンメタル、という売り文句にそれほどの意味があるとは思わないし、必ずしもジャーマンメタルの伝統的な部分を完全にこのバンドが体現しているとも思わないけれど、そんな事は関係なく、そう、まったく関係なく、SINBREEDは最高のバンドの一つだし、次回のアルバムもリリースされた瞬間に手にしたい、と感じさせる本作、MASTER CREATORはとても素晴らしいアルバムだと思う。

本作の評価

1、買うべき 
2、聴くべき<<<<<<<<特盛の焼肉弁当のようなアルバム!パワー出るぜ。
3、聴いたら忘れてもいい
4、ヒマな方はどうぞ
5、時間泥棒

北原亜稀人でした。

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